オレンジと淡いブルーが混じりあった夕空

人生に意味を感じられないのは
とても単純なことでね
それは人生に意味を求めているから

意味などそもそもないんだよ

世間の流行や優れているものや
他人の存在や自分の置かれてる状況にしても
あらゆるすべてが何の意味もなくそこにある

これまであなたも
誰かをみて素敵だとか
あのようになりたいとか
胸を輝かせたときがあった

だがどうやってもそのようにはなれず
やがてそれを目指すことに疲れ果てて
人生が虚しくなってしまった

もはやそれをやろうとすること
続けることが辛い

だけどもそれをやめたら何があるというのか?
生きてる”意味”がないじゃないか

つまりその意味をつかまえなければ
“生まれてきた意味”がないじゃないかとね

 

ドーナツ

だがそもそも意味とはなんだろう?
あなたは意味の”意味”を考えたことがあるかな

辞書にはたくさんの事柄が載っていて
それらには詳しい説明が書かれてある

たしかにそうした説明が意味だと
私たちは思い込んでいる

しかしその説明を読んでわかるのは
その事柄を説明するには
別の無数の事柄を集めてるだけだということだ

仮に猫を調べてみるといい
猫そのものについては何も書かれていない

そこに記されているのは
猫というものはどういう分類として
区切られているかとか
寿命や被毛の種類や運動能力だとか

つまり猫とされるその何かの様子を
別の言葉を借りてまとめあげているにすぎない

ところがそうして借りている他の事柄も同じように
それ以外の無数の言葉の集まりとして説明される

すべてがあるひとつを説明し
その説明されたあるひとつも
別のなにかを説明するためにある

いわば「すべて」のなかで
意味は無限に生成されるがそれはつまり
すべての中身が実は空っぽであり
どのように他の事柄同士が
関係し合っているかだけだということだ

だから意味の意味とは
あるなにかに含み隠されている表現や内容を
“示すこと”にあるけども示すためには
別の事柄で語らなければならず

だがそれはそのなにかの
“輪郭”を形成しているだけであって
真ん中には何もないんだ

人生に意味を求めるというのは
まさにそのドーナツの空洞に
手を突っ込んでるのであって
それは当然何の実感も手応えもないだろう

きらきらした人や世界に魅了されて
自分もそうなりたいと願うばかりに

いろんなものを背負い
そして果てしない山道を
登って行かなければならない

ところが登っても登っても
山頂がみえてくる気配がない

そう、あなたはドーナツの真ん中に向かって
進んでいるゆえに
それはどこにも辿り着かない

やがて深い霧のなかで体は凍えて疲れて
ところが引き返すにもいかない場所まで
きてしまった

そうして途方に暮れるとき
あなたは人生に虚しくなるというわけだ

 

辞書に載っていない言葉

ところでこうした
すでに辞典に掲載されているような
既存の語句では”ない”ものがある

つまり辞書に載っていない何かがある
そしてあなたはそれをいくつか持っている

言いかえれば
誰の辞書にも載っていない幻の”存在”を
あなただけが知ってるわけだが

たとえば愛用している持ち物に
「これには私なりの意味がある」と
考えていたりするだろう

同様に家族やペットにしても
それは”あなたなりの意味”であり
だがよその家族やペットについては
あなたにしてみれば
単なる人々であり動物にすぎない

つまり「私なりの意味」というのは
辞典には載っていないが
しかしあなたの人生においてはその”意味”、
すなわち「説明」がある

もちろんそれもまた別の無数の事柄を集めて
ひとつのドーナツを創ったことに違いはないが
しかしここに人生の虚しさを脱却する鍵があるんだ

なぜなら
その「意味なき意味」の意味を創ることこそが
あなたの人生の”意味”だからにある

いいかい
話したように人生には意味がない

この世という
それっぽい形はあるけども
真ん中にはなにもない

あなたはネットの情報や社会や街をみて
いろんな欲望や期待を持つが
ところが実際それに触れようとしても
そこには「なにもなさ」だけがある

欲しかったものを手にしたとき
恋人ができたときも
似たような感覚になった経験があるかもしれない

手にするまでや
はじめのうちはよかったけども
だんだんその価値が消えてなくなる

その物やその人はそこにいるというのに
そこにはなにもない

そんな経験だね

何かを手に入れたはいいが
未来の可能性ばかりをみて
地に足がついていない毎日もそう

将来の期待にばかり興奮していたが
あとになってみれば
実は何も手にしてなかったとわかる

そうした個別のドーナツの集まりが
まさに人生という宇宙ドーナツにある

だけどもこうして
そもそも意味がないのだと”気づく”とき
ようやくあなたは

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