優しい世界
子どもの頃に熱中していたことを
再びやってもいまひとつ盛り上がらない
よくある話だね
だからといって
「人生はこうして楽しいことが減っていく」
と捉えるのは実はまったく逆なんだ
このように考えてみよう
どこかのカフェのテラス席に腰掛けて
穏やかで心地よい空気のなかで
アイスコーヒーを味わっていた
青い空は美しく
人々はみんな優しそうにみえる
目の前に広がる生命の世界は
まさに祝祭そのものだった
日頃の思い煩う心はここにはなく
「そうか、これがこの世の真実なんだ」と
あなたは深く実感している
ところが帰る時間になって
しばらく歩いていれば
アスファルトの熱気と排気ガスのなか
汗ばむシャツの不快感と息切れに
気力を吸い取られていく
頭のなかでは片付けなければならない
面倒な用事や約束事が浮かび
ちゃんとできるかどうか不安になる
そうして気持ちが焦っているときに
不意に鳴った電話を取れば
また用事が増えたことに苛立ちを覚える
Notes あなたの世界, あるがまま, 他者, 充実感, 存在, 安心, 愛, 永遠, 神秘
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