欲望に支配されないために

物欲、性欲、金銭欲、名誉欲、支配欲、
人はそうした欲望のために
幸せな人生は狂ってしまうわけで

人間関係が破綻したり財産を失ったり
さらには犯罪に手を染めてまで
それを満たそうとする者もいる

しかしそうやって欲望が満たされたりして
過ぎ去ったときには
どうしてあれほどに求めたのだろうかとか
なぜあんな過ちをしたのかと不思議になり

ところがふと気づけばまた欲望しているわけで
不足を満たされようとしている”自分”が現れている

心を観察していれば
そんな「様々な自分」を発見するようになるが
逆をいえばそうして観察してなければ
いま自分が誰であるのかさえわからないまま
つまり人生は制御不能のまま
破綻へと一直線に向かうことになる

ところで”欲”には二種類あってね
ひとつは上にあげたような精神的な欲望であり
もうひとつは睡眠や必要な意味での食欲などの
肉体的な欲求にある

もちろん文脈や分野によっては
言葉の使い方はそれぞれあるだろうけども

理解しておくべきは肉体的な欲求とは
生命エネルギーの”通過”のことであり
それは過剰や不足しない限り
幸福そのものにあるということ

つまり人生を狂わせる欲とは
常に精神的なものであるということだ

 

欲望という名の列車

まず物欲も性欲も
それについて考えること」をしなければ
その欲望は生まれてこない

よく性犯罪者が
「性欲を抑えきれなかった」と話すけども
決して”自然”には性的興奮は沸いてこないわけで

たとえ体がなにかに触れて快いときでも
精神的な欲望(観念的な欲望)には
まだ結びついていないんだ

つまりその欲望のはじまりは
たとえば目の前を歩く異性の体をみたりして
そこから何らかの連想を浮かべたり
その欲望が満たされたときの気分を
結びつけてしまうことにある

そうして考え出せば
彼らの心はもう歯止めが効かず
無自覚のうちに心の列車に飛び乗って
あとはレールにひたすら流されてしまう

物欲も同じく”思考の産物”にある

それは現代的な価値観というものが
そもそも相対的なものであるからだが

たとえばAという商品があるなら
それ単体では価値は持つことができず
他のBという商品との関係によって
Aは良くも悪くもなる

明るい青い色だと思っていたものが
より明るい青を隣にすれば暗くみえるようなものだね

そうした”差異”によって
価値は無限に生産されていく

むしろ生産性が謳われる現代において
その肝心の生産物とは実体のないものであり
まさにその幻想のなかで社会や経済は成り立っている

特に日本のようにめざましい経済発展において
人々に必要なものが行き届いた昨今
資本主義はそうして違いを持たせることだけ
新しい商品という幻想を生み出し続けている様子にある

ここに私たちが終わりのない労苦と
そして終わりのない欲望の渦に巻き込まれ続ける
最大の要因があり

掴んでもすぐに消え去っては
またどこかに現れるような
「空想的なもの」「想定的なもの」に
人生を縛られている様子にあるわけだ

この相対性を基盤にした価値体系は
その”図柄”が常に変化し続けるゆえ
だからこそ無限に生産が可能となるけども
それは私たち個人の
心のモノサシとしても根付いてしまっている

「あれよりもこっちがいい」
そう思えば思うほど輝いてみえてくるわけで
つまり物欲もまた
考えること」からはじまるわけだ

またタバコやお酒、カフェイン、甘いものなど
それらを欲するときもなんらかのイメージが
まず頭に過ぎっているはずだ

その摂取を正当化する前向きなイメージだね

たとえばお酒の宣伝で
芸能人を起用することの戦略がみえてくる

たしかに度重なる摂取で
「いつもならこの時間にこの刺激があるはず」と
習慣化した体性感覚の誘引もあるけども

だが体がそのサインを出したときに
やはりイメージを結びつけるからこそ
我慢できなくなる

だから禁酒禁煙などで
体からそれが抜けたとしても
結局は思考をどうにかしなければ
また繰り返すことになるんだ

 

欲望のホームにすら立たないためには

じゃあどうすれば欲望に支配されずに済むのか
根本的にそれを遠ざけるにはどうすればいいのか

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