悪魔の木
現実という悪魔がいる
その悪魔は巨大な樹木の姿をしており
無数に伸びた枝に茂る葉や花が
手招きするようにゆらゆら揺れている
危険なのはその花が醸し出す香りにある
誰もがその香りに誘われて
つい花に手を伸ばしてしまう
だがその喜びもつかの間
枝が自分の体に
絡みついていることに気づく
人間関係や経済問題、将来や人生の意味
つまり”現実”に雁字搦めにされるわけだ
誰もがある年齢に差し掛かると
必ずその巨木の前を
通り過ぎなければならない
枝に捕らえられなかった者は
これまでほとんどいないと伝えられる
だから恐ろしい光景がそこにある
まるで「実」がなっているかのように
人々が養分を吸い取られながら
吊り下げられているからだ
花の香りだと思われていたものは
彼らから絞り出されている
油の匂いだったというわけだ
1
そんなある日のこと
無垢な若者が
その巨木の前を通るときがきた
若者は幼き頃、
つまりまだ
「鼻」が効かなかった頃だが
兄や姉が何かに引っ張られるように
ゆらゆら招かれていく姿を
目の当たりにしていた
Notes あなたの世界, 世界を変える, 創造, 幻想, 悟り, 生き方
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