ペルソナの世界(2)

前回からの続きとなる。

他者(人や出来事)に己の存在を否定されたときの「自分が『人間』でなくなるという恐怖」、つまり自己同一化が引き剥がされる不安を消滅させることができるのか? ということだったね。

もちろんそれは可能だ。

先にまとめておくと、ペルソナの世界は普遍的な法則が流れている。それはそもそも人類が積み上げてきた価値観や常識、思考や感情などの集積である「言葉の世界」であるからだ。つまり自己同一化した領域には必ずある種の論理構造があるわけであり、大半の人々はそれに流され続けている。つまり偶然の法則に頼りながら生きている状態にある。

だがそうして偶然に頼る限りは「己の知る言葉」の範囲、つまり現存のペルソナの数しか現実は展開しないことになる。つまり「運命」が確定する。しかもそれは既存の言葉の領域に閉じ込められ続けるということであり、人生は過去の再生をただ繰り返すだけで、徐々に大いなる源泉との繋がりは細くなり、やがては生命感のない、貧しい生となる。

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