殺し屋は花に包まれる
空であろうとしては空を悟れない
つまりあなたがどれだけ
「私はいない」
「全体性だけがここにある」
そう思い込んだところで
「いないと思ってるあなた」が
そこにいる
ゆえにすべては
「逆向けのアプローチ」をたどる
これは大事なポイントとなる
たとえば満たされたくて車を買ったが
それだけじゃ足りない
オプションパーツが必要だ
そうして買い揃えていくが
今度はさらに上のグレードが発売される
信号待ちの隣の車に冷笑されてる気になる
どこまで進んでもきりがない
そして彼はやがて気付くわけだ
手を出さなければよかったと
何もないことこそが
求めていた充足だったのだと
だがこの洞察は十分ではない
なぜならばその充足とやらは
「何もないこと」に縛られているからだ
「何もない」という言葉に魅了されている
それは”何もない”のではない
何もないという言葉がそこに”ある”のだ
そうして彼は車を手放すことにした
「自分は何もないぞ」と
満たされた気分になるのだけども
それは矯正されたものだ
その心は常に虚しさが漂っている
豊かな顔で車を転がす人々をみて
彼はあざ笑う
なぜならば自分が不幸だったからだ
だが人々は不幸など微塵も感じさせていない
彼は「そんなはずはない」と混乱する
「やつらは自分を誤魔化しているだけだ」と
彼は自分を”誤魔化す”ようになる
これはスピリチュアルに踏み入れた人が
言葉に翻弄されただけの姿を表現している
人間は言葉で伝えあう以上
言葉の制限は超えられない
ゆえに言葉自体を真っ先に疑わなければならない
外で飛び交う言葉もそうだし
あなたの心のなかで浮かぶものもそうだ
何かを見たり触れたりすることも
常に言葉に変換されていることに
気がつかなくてはならない
車の彼のように
「幸せとはそれを求めないことにある」
そんなことを豪語したところで
とても幸せであるとは言えるものではない
今回はそういった雁字搦めの自己を解放し
そして”全体”を漂う愛に、
その咲き乱れた花々のなかに、
どうすれば自在に舞えるのかを記してみよう
2.主体世界と客体世界
風に浮かぶカイト（凧）になるには
風に乗ろうとするまえに
まず”カイト”であらなくてはならない
つまりあなたが全体に流れるとき
あなたは自分自身で
あらなくてはならないのだ
世間に翻弄されて
「あれ」になったり
「これ」になったり
そんな迷える人間であっては
風に乗ることはできないということだ
そんな様子じゃ風が吹いていること
すらもわからない
カイトが風に浮かぶとき
彼は「完全なる自己」であるゆえに
風を知ることができるのだ
この話でのカイトは主体性のこと
そして全体性とは超越のことを意味する
超越へ到達するには
主体と客体の世界をよく理解し
そして深く体験しなければならない
客体の世界とは
そこに見えている外の世界のことだ
あなたは生まれながらに
客体世界を完全に見ることができる
そこでは他人は”他人”であり
手の届かないところに夢の暮らしがある
ゆえに誰もが外の世界に囚われている
外の世界で幸せになろうとする
だが幸せとは内的なものだ
つまり人々は外の世界を
自分の色に塗り替えることに躍起になる
やがて人々はそれがいかに
途方もないことであるかを知る
どこまで塗ろうとも
外の世界は果てしないからだ
物理的なサイズだけではなく
時間という暴力にもファックされる
つまり客体世界には絶望しかない
一時的につかんだ栄光はどこへやら
肉体も精神も犯されて穴だらけ
汚されて裏通りのゴミ箱に捨てられる
そうしてすべてを剥ぎ取られたとき
じゃあどこに幸せがあるのかと
ひとは再び探しはじめる
この幸せの探求は
それまでのものとは異なるものだ
「なぜ自分は生きているのか」
という問いが根源となっているからだ
完全に今までとは違う旅となる
いまのあなただね
Notes あなたの世界, あるがまま, それ, タオ, ワンネス, 他者, 充実感, 創造, 唯我独尊, 存在, 悟り, 意識, 愛, 無為自然, 生き方, 自分, 自己想起, 自由, 観照
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