声という音
あの人のことが思い出せない
というのがあるだろう
一度しか会ったことのない人や
ほとんど会話したことのなかったクラスメート
だがそうして「どんな人だっけ?」と
思い出そうとしているのだから
完全に忘れてるわけではない
ぼんやりした印象だけがあり
だけどもそのぼんやりしたものが
はっきりと浮かび上がってこないわけだね
忘れゆく順番?
さてそうして誰かのことが
記憶から忘れられていくとき
最初に忘れるのはその人の声だといわれる
つまり顔や名前などを忘れていくのは
その後らしいのだけども
あなたはどうだろうか
私はその逆で
声だけがずっと残っている
それもまた
ほとんど話したことのない同級生の声や
また一度きりだけ言葉を交わした
友達の親の声とか
仕事やらでその日だけ関わった人や
買い物に行った先の店員もそうで
顔はおぼろげで静止画のようでしかないし
名前も完全に忘れているが
しかし声は鮮明に残っている
その不思議な理由は
もうわかっているので後述するが
だからその人との出来事を思い出すとき
まず声が出てくるのだけども
しかし会話そのものは断片であって
その人が私に向けて語りかけていたその
生命力(エネルギー)がね
心地よい感触として体が覚えているんだ
そこに本当にあったもの
そうしてみれば
目で見たものを忘れがちなのは
視覚を通じて得られた像というのは
自分の思考による解釈が
ほとんどを占めているからであり
たとえばちょっとした出来事で
良い気分が悪い気分に様変わりするように
思考は移ろいやすいがゆえに
記憶の像も変化してしまう
Notes あるがまま, いまここ, ワンネス, 他者, 存在, 愛, 感謝, 癒し, 真実, 神秘, 自然, 観照
関連記事
- PREV
- 導きは己を通じて目の前の世界に現れてくる
- NEXT
- "私たち"の正しさ