食い込んだビキニ

今この瞬間、今この場所

よく使われる表現だ
あらゆる方面で乱発されてきたゆえ
言葉としての力はもう失せている

だがこのシンプルなニュアンスだけが
真実の扉を開いてくれる

いまここではない状態
すなわち闇の中をさまよっているとは
「心ここにあらず」のことだ
この表現での心とは意識のこと

休日に家族で訪れた海水浴
ビーチで波を眺めているときも
あなたは会社で仕事中だ

明日からまた連勤だ
上司に言い忘れていたミスもある
月末の支払いも工面しなければならない
息子が転んでわんわん泣いている
妻は腹肉を揺らせてあなたに怒鳴っている
来る途中で擦ってしまった車のバンパー
入れ墨の若者がこちらを見て笑っている
なぜだ?腹立たしい
世間知らずの若造めが

あなたは全意識を若者に向けながら
視界をシャットアウトする
日差しに照らされた本のページが眩しすぎる
ヤツはまだ見ているのだろうか?
妻の食い込んだビキニ
擦ったバンパー
上司の説教
ああ、本の内容が頭に入らない

さて
これが日頃のあなただ

どうすればビーチの波を
楽しむことができるのだろう?

本書宛てによく
「どうすればいいですか?」と問合せを頂く

誰もが解決を求める
問題がそこにあれば解決を探す
そのように教えられてきた
そのように生きてきた
だから多くの人は私の返答が理解できない

「どうすればビーチの波を楽しめますか?」
「楽しめばいい」
「楽しめないから聞いてるんです」
「楽しめないならそうなのだ」

問題事はそのままにしておきなさい
解決など必要ない
どうすることもないのだ

あなたがビーチにいて会社にいることは可能だ
安らぐベッドに包まれながら
途方もなく疲労することもできる
ハッピーな映画を見ながら
自殺したい気持ちになることもできる

ただしすべてに共通するのは
いまここではない場所にいるということ

いまここにある、とは
無思考であることだ
つまりマインドが停止している状態
だけども無意識ではない
だから熟睡しているときでもない

意識的にありながらノーマインド
その状態で「いまここ」が開く

簡単な方法がある
頭を切り捨てるのだ
意識を身体に持っていく
その四肢に向け続ける
すると首から下は実は
別の生命体だったこともわかるようになる

ボディに意識を向けるとき
その場を感じ取ることしかできない

マインドは考えることしかできないが
ボディは感じることしかできない
どちらが「いまここ」かといえば
言うまでもないだろう

 

 

 

 


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  1. ONEPOINT より:

    この手記の内容とはズレるかもしれませんが
    今日気づいたのは緊張しているときだけでなく
    妄想に耽っているときも身体が強張るんですよね。
    これも「いま」に対する抵抗から来ているのかと思いました。

    • 自分 -涅槃- より:

      ONEPOINTさん

      先の方のコメントでも書いたが
      呼吸や身体に意識を向けてみなさい

      あなたがパリコレのモデルだとしよう
      大きな会場で
      一流ブランドの最新ファッションを着て
      優雅に歩かなければならない
      転びでもすれば
      すべてが台無しになる
      ただでさえプライドの高い
      ファッションデザイナーの顔に泥を塗る

      さて、このようなことを考えていれば
      必ず転ぶ

      だがすべてはそこにあるがままと受けいれれば
      あなたはその風景に溶け込む

      どうするか
      どうすればその風景に溶けられるのか

      簡単なことだ

      そこに起こっていることに意識を向ければいい
      足の裏が地面を捉えている感覚
      瞳孔に飛び込むスポットライトの眩しさ
      鼓膜を揺らす周囲の音
      全身の肌を包み込む空気の感触

      いいかい
      スポットライトや周囲の音に意識を向けるのではない
      それは思考に向けているということだ
      そうではなく
      ライトを浴びて「眩しいこと」
      音が聞こえて鼓膜が「揺れていること」

      それがリアルだ

  2. 岩窟王 より:

    すいません、コメント連投で。

    意識的にありながらノーマインド

    ナイスな私: 首の上には「空」がのっている。
    残念な私: 首の上には「価値判断=過去」がのっている。

    今までに起こった「それらしい体験」を見ていたのは、いつもと同じ顔の位置でした。

    私が消えても、顔の位置で見ています。

    • 自分 -涅槃- より:

      岩窟王さん
      >自分の体を1秒遅れ位で追いかけて見ている状態」

      感じ方とは人間的な解釈だから
      人それぞれ表現は違う

      タイムラグを感じたり
      すべてがコマ描写に見えたりする

      大事なのはその瞑想をできる限り維持することだ
      意識と無意識がある
      あなたが呼吸や身体の動作に
      意識を向けると思考は止まる

      簡単なやり方なら息を止めてみなさい
      息が止まっていることを観てみなさい
      すると途端に「いま」に入る
      視界がどんどん明るくなってくる

      だがその様子を心の中で解説したりなどすると
      光は消える
      また思考という闇になる

      マインドはいつもあなたに問う
      そんなことをやっていて何になる?とね

      あなたはこう答えればいい

      「私の求めていたものは
      すべてそこに行き着くのだ」

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