大地に根を張る
たくさんの画家がいて
それぞれの特徴がある
たくさんの哲学者がいて
それぞれの思想がある
モネやシャガール
プラトンやデカルト
それぞれ独自の「売り」を持っている
そのセールスポイントに
人は共感したり批判したりするわけだ
あなたの周囲の人々もそれぞれの性格や
その人なりの物事の捉え方があるだろう
それらも画家や哲学者たちの
「売り」と同じものだ
あの人が好きとか
この人とは合わないとか
それをみて判断をするわけだからね
ところでそうした「売り」とはなんだろう
みんな同じ宇宙に生きているのに
なんで違うやり方をしたり
それぞれ違うことを
言い放ったりするのだろうか
それはこの「売り」という言葉に
注意してみればわかる
画家も哲学者も嫌いな上司も
みんなそれぞれが
「同じひとつのもの」に触れているのだ
つまりそのひとつのものを
各々の表現のしかたで
示しているだけなのである
その表現の方法が「売り」のことであり
その人の性格であったり
生き方であったり
職業や特技であったりするわけだ
要はこの世の「多彩さ」のこと
ほら、そこのティッシュの箱も
ティッシュの箱という売りをもっている
でもその「売り」を外したら
そこには何が残る?
つまり「売り」という観点で
世の中を見てみたら
誰それが嫌いだとか自分は不幸だとか
そういう次元から離れることができる
なぜならそうしたものは表面的なものにすぎず
みんなが同じものに触れているのだと
わかるからだ
そしてまた自分の人生を
充実させることの意味も
掴むことができるようになる
これらを理解するためにはまず
「売り」がどのようにして生まれるのか
それについて考えてみよう
哲学の歴史から学ぶ
たとえば哲学史といえば一般的には
ソクラテスのギリシア哲学から
デリダあたりまでの現代思想を指すけども
その哲学の歴史がどうやって
発展してきたかといえば
「批判の繰り返し」によるものだ
つまり2500年かけて
一本の道を辿ってきたといえる
気をつけなければならないのは
批判という言葉は
誹謗中傷のことではないということ
批判とはその物事について考察し
深く推論することにある
確かに議論のテーマとして掲げるわけだから
その物事について
否定的な角度をもたなければ推論はできない
あなたがある何かについて考えて
それが知的に発展していくときとは
必ず次のような捉え方をしている
「もしかしたら実はこういうことじゃないのか」
こうした捉え方が批判という視点、
つまり「問うという姿勢」にある
単なる反論や拒絶ではないということだ
こうした見方から弁証法的に
導き出される推論が
「新しい思想」として花を開くのである
その花はあなた独自のものだ
完全なオリジナル
つまりあなたの「売り」となる
実際いまのあなた自身を形成している
考え方や性格などは
これまでの人生経験のなかで
推論によって開いてきたものだ
良かれ悪かれは別としてその集大成が
アイデンティティというものとなる
もちろんそれが最初の物事の
ただの「複製」ではなく
独自に推論して発芽させるという
プロセスを経てはじめて
あなただけの花となる
その花はさらなる次の土壌となることができる
つまりあなたの花をもとに
別の新しい花が咲くことができる
ということだ
それは自分自身においてもそうであるし
他者に対してもそう
その「土壌としての価値」があるかどうかが
オリジナルであるかどうかの境界となる
このオリジナルであるかどうかは
とても重要だ
なぜならここに望みの実現性
そして幸福と不幸の分かれ道があるからだ
恋愛から学ぶ
たとえばある異性が
あなたを魅力的だと感じるのは
それはあなたが「他の誰でもない」からである
もちろん人間であるし
みんなと同様に日本語を話し
日本の風潮や常識には染まっているけども
その土台の上で
あなたなりの独創性が開いており
そのオリジナルな花に
その異性は魅力を感じるのである
なぜならその人はあなたのその土壌に
「自分の花」を咲かせる可能性を見るからだ
それが恋愛というものだ
その人はあなたという空間のなかで
自分を輝かせることができる
それにはあなたが
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