怖さと豊かさの同居

小さな子どもが怖がってるものをみて
「そんなの怖くないよ」とあなたは笑う

しかしなぜそのような余裕で
いられるのかといえば
子どもが怖がるそれがなんであるのかを
あなたは詳しく知っているからだ

つまり子どもは
それがなんであるのかを知らないから
怖がるのであって

怖がる必要のないものを怖がっていることを
あなたは知っている

そんなあなたもまた
人生でいろんなことに怖がっている

あの人は自分をどう思ってるのかとか
将来に災いが起こるんじゃないかとか

だが他者の心も将来も
それがはっきりとみえないから
怖がっているにすぎない

もちろん蓋を開けてみれば
「やっぱり怖ていたとおりだった」
となるかもしれない

だが蓋を開ける前の何倍にも増幅していた怖さは
己自身でそうさせているんだ

 

1

だから子どもと同じで
たとえばその他者をよく知る人からすれば
ましてその他者本人からすれば
なにを怖がってるの?となるだろうし

現在のあなたは過去の自分に対して
そんなに怖がる必要はなかったんだよと
伝えることができるだろう

だから妄想でしかない怖さは
それをよく知らないがゆえの妄想だと
見抜かねばならないが
しかし本当に怖いものもある

それは知らないから怖いのではなくて
よく知るからこそ怖いものだ

これもたくさんあるだろう

たとえば雪山や海という自然界の怖さ
生殺与奪を他者に握られることの怖さ
大病を患うことの怖さ

それらはなぜ怖いかをよくわかっているから
はじめから遠ざけることができる

自然を甘くみてはならないし
おいしい話には注意すべきだし
健康にはいつも配慮しておくべきだ

もちろん人生の展開的に
避けることがそもそもできず
それらに捕まることも多々ある

突然の災害や
物心つかぬ前からそうなっていたものや
生まれながらに病弱だったりもそう

各々でいろんな事情があるわけで
私もそうだったし
みんな大体はなんらかを抱えている

だがここで話しているのは
それらはよく知っている怖さであって
知らないがゆえに怖がっているものとは
異なるものだということにある

だから何かに捕まっているとしても
あなたがその怖さをよく知っているならば
いま以上の災難は
意識的に避けられるはずなんだけども

ところが避けられたはずなのに
似たような不幸をさらに背負ってしまう人は多い

実はそこに
もっとも恐れるべきものがあるんだ

 

2

その人は怖いとわかっているそれを
どうしてまた受け取ってしまったのかといえば
よくわからない怖さから逃げるために
その選択を選んでしまうからにある

そう、子どもが怖がるような
自分の妄想で膨らませた恐怖から逃れるために
手招きしている本当の悪夢のほうへ
自ら走り込んでしまったんだ

これもいくらでも場面は想像できる

たとえば承認欲求のために
危険を顧みない行動をしてしまったり
将来の不安に襲われて
不正な契約をしてしまったり
職場の人間関係に苛ついて暴飲暴食を続け
やがて体調を崩してしまったり

つまり偽物の怖さが
本当の怖さの扉を開いてしまう

では何が「もっとも恐れるべきもの」なのか?

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