優しくなれないあなたへ
機嫌がよいときは
家族やペットに対して
おおらかな気持ちになるだろう
「私たちはみんなで一緒に生きてるんだ」と
いろんな立場や種類や違いを超えて
相手を深い慈しさで包み込んでいる
ところが物事に振り回されてるときや
機嫌がわるいときは
そんな寛容さはあなたに見当たらない
「なんてのろまなの!」と心のなかで怒り散らし
すべてが自分の邪魔をしてる障害物にしか思えない
家族はそんなあなたに反発するだろうし
そんな反発にますます苛立ってくるだろう
そしてなにより
ああ、かわいそうなペットたち
彼らの純朴な正直さは
飼い主の機嫌ひとつでその扱いが変わる
1
しかし人間とは
なんと都合のいい存在なんだろうね
もちろんそんな自分のいやしい心を
私たちはちゃんと気づいてる
だからこそあとで後悔したりする
だがその後悔もまた都合のいいものだ
「でも・・」とあなたはいう
「機嫌のわるいときは
それがいけないことだとわかってるのに
マイナスな感情を抑えきれない」
「とてもじゃないけど
慈しみや寛容さなんて溢れてこない」
むしろ機嫌のよいときもそれと同じであって
自分がその寛容さを生み出してるわけではないんだ
つまりすべてはその時々の偶然な気分であり
世界はあなたに振り回されているのではなく
あなたが世界に振り回されて
振り回されてるあなたの視界に映る世界が
落ち着かないものとしてみえている
だからあなたは
「わるいとき」を追い払おうとして
「よいとき」をいつも待ち望んでいるけども
実はそうして待ち望んでいることが
人生が偶然に頼ったものになる最大の原因
であることに気づかなければならない
だから「よい」も「わるい」も
どちらも無用としたときに
気分で世界が変わることはなくなるんだ
2
だけども
よいもわるいも無用にするには
どうすればいいのだろう
慈しみや寛容さにあふれ
「みんなで一緒に生きてるんだ」と
ずっと感じられているようになるには
どうすればいいのか
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