嫌な予感が当たることと望みの世界を創り出すことは同じ仕組みにある
あなたが散々な1日を過ごしたとしよう
たとえば通勤電車で知らない人に
文句を言われて
駅を出たらどしゃ降りの雨に濡れ
会社では上司に怒鳴られる
友人たちとのSNSでは
根も葉もない噂話が流れて
自分が悪者になってるとしか思えない
誤解を解かなきゃならないと
不安になっていたら
飼い犬が病気だから
動物病院に連れて行けと連絡が入る
今日の仕事はまったくうまくいかない
ありえないタイミングが重なって
ミスを連発する
おかげで先方からは苦情の嵐だ
嫌いな同僚がにやにやしながら
上司に何かを話している
気持ちは陰鬱な重さに覆われて
次は何が自分を狙っているのだろうか
もうビクビクするしかない
そしてほらみろと言わんばかりに
嫌な予感が的中し続ける
コンビニの店員の態度は最低だったし
アマゾンから届いた商品は不良品だった
犬の治療費はそんなにするのか
というくらいに馬鹿高いし
そこまでやる必要があったのかさえ謎だ
家に戻ってスマホをみてみたら
会社から20回も着信が入ってる
不動産屋に勧められたこの住まいも
ずっと我慢しているが不具合だらけ
騙されたとしか思えない
あの営業マンの親切は自分の成績のため
客の気持ちなんて米粒にも思っていない
まあそりゃそうだろう
でもこれから住み続ける自分は
この怒りをどこにぶつければいいのか
1.
さてこうしてあなたは
不幸の主役にはまりこんでいくわけだが
ところで人生に起こる
その様々な出来事とはいったいなんだろう
嫌なことばかり起こる人生にあるならば
それは言いかえればこの世界中が
あなたに嫌な思いをさせるためだけに
存在しているということなのだろうか?
もう一度順にみていこう
電車の客
大雨
機嫌の悪い上司
友人たちの噂話
飼い犬の病気
重なった業務
客の苦情
嫌いな同僚の行動
コンビニの店員
アマゾンの商品
動物病院の治療
会社からの電話
住まいの欠陥
担当の営業マンの活動
確かに世界は「常に」何かが起きている
だがこうして並べてみたら
自分に密着していると思っていたものが
少し距離が作られたような気がしないかな
実際そうなのだよ
すべてはそれぞれのシナリオを持っていて
そしてそれぞれの動きの経過にある
つまり己からみた物事が
「どのようであるのか」は
己の都合に合わされて
そのように見えているにすぎないのだ
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