自分を遊ばせる

便利な世の中というのは「ストレスがない」ということであるのだけども、それは「あってもなくても同じ」であることを意味する。つまり便利になるほど、それはの世界に向かっているということだ。

仕事や用事というのは、ある不完全な状態を「完全にする」ということであり、その完全というのは不完全という波立った様子をフラットに戻すこと、すなわち、あったものを「ない」ことにするものだといえる。

 

1.完全になるとき

たとえば、ある作業を自動化できないかと考えて機械を発明する。彼は「A」という完成形に向けた作業を機械にやらせたい。最初は「A」には及ばず「A”’」やら「A”」だったのが、どんどん精度が上がり、やがて「A」になる。

そのとき「作業」はもはや存在しているとはいえない。確かに機械は作業の工程を順番にやっていくけども、オートメーションだ。人間はボタンを押してしばらく待っているだけで「A」は完成する。

それまで数時間かかっていた作業が、もうそこには存在しない。作業はどこへ消えたのだろう? そこにあったものはどうして失われたのだろう? 

また完成した「A」でさえも、その使用目的における過程であり、その過程も失われるとき、いったいこの世界には何が存在するというのだろうか。

 

2.無を目指し続ける「有」

このように「便利である」というのは、最初から何もなかった状態に近付くということであるのだ。この視点であなたの勤務する会社の業務を眺めてみるといい。会社がなぜ存在するのか。そしてお金はなぜ存在するのか。

実際のところ、その完全になにもない様子が本当の世界の姿なのだ。だが私たちはその無(=死)に抵抗するように、用事(生)を生み出し続けているに過ぎないのだよ。

つまり人生で求めるどんなことも苦悩であることがわかる。言い換えれば苦悩こそが生なのだ。釈迦は生きることそのものがトラブルであるといったのは、すべての有は無が前提にあるからである。

 

3.抱える問題が終わるとき

私たちは便利さを求める。ストレスのない人間関係や金銭問題を求める。それは一体何を求めているのか。完全性=ゼロ、すなわち「死」という解放である。自ら生み出した幻想を解き放つために、せっせと働き、せっせと誰かのことを思い続けている。

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