抱えている苦しみを解き放つ
きっとあのことが原因でこうなったんだと
私たちは因果関係を追求する
たしかにいまコップが割れたのは
手を滑らせて落としたからだ
それは推論をする余地はない
だがすでに割れているコップをみたとき
いろんな可能性を思い浮かべるだろう
つまりいま自分が不幸な状況にあるとか
対人関係がうまくいかないとか
そうした関係性がここに認められるにしても
そこから導き出されるものは
純粋に観察されたものではなく
“解釈”されたものにある
問題はその解釈のなかに
真実をあぶり出しても
常に間違っているということだ
解釈とはその物事だけでなく
それとはまるで無関係な要素が紐づけられた
ひとつの宇宙にある
たしかにそれは新しい現実を創造する
根本原理でもあるけども
だが”創造者”のまなざしを失っていると
自らを出口のない不幸な世界に
閉じ込めてしまうことにもなる
たとえばあなたは
自分の抱える不幸や不運について
その解決をいつも探してきた
もちろんそのことはあなたにとって
耐え難い苦悩や悲しみであり
むしろそれは私たちの誰もが
自らの生を前向きに生きようとするための
理由でさえある
だけども出来事自体を純粋に捉えてみるとき
それは”ただ起きただけ”でしかない
いまもあらゆるすべてが同時に動いている
あなたがこの文章を読んでいるとき
隣のビルでは社運を賭けた会議をしていたり
どこかの街の産婦人科では命の誕生があったり
太平洋を移動する美しい魚群の光景があり
遥か彼方の天体では新星爆発が起きていたりする
こうした個別の要素が偶然に重なったその交点
つまりそのタイミングに
あなたのその出来事があったんだ
その出来事にある人が関わっているとするなら
その人は何らかの過去を抱えていたかもしれない
それゆえにあなたに
辛く当たっていたのかもしれない
無論そんなことは
あなたには関係のないことであり
不条理なことだろう
他にも無関係な物事が
無数に関係しているわけだが
そもそもすべてがあなたに無関係なことであり
むしろ関係性とは
無関係の総合によって織りなされているがために
関係性そのものは根本的に不条理なものでしかない
その不条理さに解決をみつけようとしても
実は何の解決もみつけることができないんだ
たとえば物事の大小を無視してみれば
小さな不幸や不運は毎日いくらでもある
それらは解決しようとさえも思わないのは
自然にそれらは忘れ去られていくわけで
つまりただ起きたものとして受け取られているからにある
だがそうして
解決せずともやっていけるということは
何かを深刻に抱え続けること自体が
間違っていることを証明しているといえる
かといって身に降りかかった不幸を
見て見ぬふりをしろという話ではない
むしろその逆で
すべては無関係の集まりであるという視座を開くとき
あるがままの要素が
偶然に交わったポイントだけの現実を生きることから
あなたは解放されるということだ
日々刻々と出来事はやってくる
良いことも悪いことも
“素直で純粋な要素たち”が
その交点において別の意味を与えられる
つまり純粋な青色は
ある交点では美しい色彩のひとつとしてあるが
ある交点では醜さを増長させる要因としてある
だがそれが”交点”であるのだと知るなら
その青のあるがままの純粋さを
同時に知っているということだ
すると「許せない」と”解釈”していた
あの人のことも
Notes あなたの世界, エゴ, 不幸をやめる, 人生, 執着, 心, 無為自然, 生き方
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