婆さんと学生

たとえば何かの分野を探求して
そのことを知っていくほど
知り尽くしたように明るくなるのではなくて
むしろその逆で
ますます深い闇のようになる

なぜなら知れば知るほど
それまで浮かびもしなかった疑問が
生まれてくるからだ

これは逆にいえば
近所の婆さんにように
あまりものを知らない人や
探求をしない人というのは

世界はとても明白であり
疑問が浮かぶ余地もないことになる

どちらが優れてるかという話ではないよ

婆さんは幸福な毎日であり
だがその隣で暮らしてる理系学生の彼もまた
知的好奇心にあふれた毎日を過ごしてる

婆さんにしてみれば
地球どころか夜空の星々さえ
自分の庭のようなものであるわけで

しかし学生の彼にしてみれば
コップのなかの氷が溶けていくことさえ
相変化や熱力学の考察の対象であって
目の前からしてミステリアスな宇宙が口を開いてる

この両者をみていておもしろいのは
まず婆さんのように
自分は何か知っていると思い込んでいたり

また学生のように
どこまでも謎が広がってるのだと
思い込んでいるところだ

つまり私たち人間というのは
なんでも知ってるし
同時になんにも知らないわけで

そのように気づいてみれば
たとえば1年後の未来の自分も
全然不安じゃなくなるんじゃないかな

なぜなら何が起きようとも

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