あなた自身を鏡に映す
あなたに直接にみることのできないものが
この世にひとつだけある
それはなにかといえば
あなた自身だね
鏡に映っているのは自分の姿だけども
それはあなたが他人をみているのと同じ
「顔のこのへんがもっと整ってれば」とか
「今日は肌のハリがいいな」とか
そうした感想や評価は
他の人や別の日の自分と比べて
語っているのであって
何とも比較しない”素の自分”を
あなたはみていないんだ
鏡をみてみれば実際どう頑張ってみても
別の何かとの関連としてしか
自分をみることができない
他者との関係や
これまでの人生との関係
生物学的な関係
そんな別の何かを通じてみてしまい
決してありのままの自分をみることはない
なぜだろうといえば
ありのままの”自分”など
そもそも存在しないからだ
それは人生に現れる他人たちも同じであり
物や自然や日々の出来事もそう
あなたはなにを前にしても
「〇〇のようだ」とか
「もうちょっとこうだったら」とか
別のなにかと並べてそれをみてしまう
つまり比較したり並べたりする何かが変われば
目の前のそれも印象や意味が変わるわけで
ひとつを動かせば
他のすべてが変化するようなこの全体模様こそが
あなたのこの世にある
単純にいえば
AさんはBさんがいるから
いまAさんであるわけで
Bさんが変わればAさんも別の人になるようなもの
そうして人々だけでなく物事も含めて
無数に連関し合っているひとつの空間、
まるで生き物のような有機的な全体構造が
ただひとつだけここにあるわけだが
なにより”あなただけ”が
この全体空間をみているわけでね
つまりこの無限変化の空間こそが
あなたそのものなんだ
あなた自身と出会う
ゆえにこの世をどれだけ覗きこんでも
あなたはあなた自身を探し出すことはできない
話しているように探しているこの世が
そもそもあなただからであるけども
問題なのは自ら生み出している
この関係性の空間のなかで
あなたが幸せや安心を求めているということだ
たしかにそれっぽいものは
ときおり現れるけども
すぐに消え去っていくだろう
だがそれは消えているのではなく
全体の変化によって
一時的にそのようにみえていただけであり
そして”同じ素材”はそこにありながらも
まったく別のものに変化したんだ
つまりそうして変化するものは
本当の幸せや安心ではなかったわけで
追いかければ逃げていく月のように
己はその幻に自分自身の何かを求め続けて
ひたすら繰り返すループをさまよっている様子にある
いいかい、「永遠の安らぎ」は
あなたがあなた自身を
どこにもみつけることができないように
この変化の盤上にはない
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