裸の自分
ここでいう「自分」とは
その堅い頭を抱えた人間のことではない
あなたを通して世界を体験しているエリアのことだ
つまり思考が漂うフィルムの後ろ側
映写機でいう光源
それがあなたの意識の居場所であり
人間のあなたが絶望しようが死のうが
ただぼーっとそれを見ている存在だ
高次とか潜在意識とか
そのように呼ばれるが
要は服を着ていない裸のあなたのこと
服とは人生の設定要素を指す
それら設定要素を全部外すと
裸のあなたがそこにいる
ロックファッションでロックな気分になったり
ピシッとしたスーツに身を包んで
優秀なビジネスマンを演じてみたり
責任という服を着て
がんじがらめのムードを泳いでみたり
まあ様々な服を着ている
瞬間瞬間で着替えたりもするから
その見えている世界は多様な色彩を放っていく
だけども服は服だ
あなたではない
どんな服を着ていようとも
裸の自分を忘れないことだ
「この服を着ているのは自分だ」
「自分はいまこの服を着ている」
そのように「服」を常に客観視しておきなさい
そうすれば問題は問題ではなくなる
そこにただ置いてあるだけだ
そしてあなたは好きな服を選べるようになる
とても軽やかに
自由にね
観察力がついてくれば
裸のあなたになっているとき
視界が変わっていることに気が付く
普段はフォーカスしているものが視界となるが
裸のあなたはフォーカスしない
全体がクリアに飛び込んでくる
つまり視界すらも迷える心が映し出していた幻想だと
そのときにわかるのだ
グラスの色で中身が変わる
五感に於ける真実とは何かね?
すべてあなたのグラスの中なのだよ
だから裸になりなさい
グラスを叩き割りなさい
裸で街を歩いてみなさい
あなたはありのままの真実を知るだろう
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