人を愛するということ(2)

何年も前の古い日付の領収証とか
以前住んでいた所の賃貸契約書とか
そういうのが出てきたら
懐かしい記憶が蘇るだろう

たとえば10年前のこの日
自分はこんなことをしてたんだとね

その思い出は
あなたにとって唯一の事実であり
自分だけの貴重なものだ

その時期の楽しかったことや
頑張っていた自分の姿が
手にした日付から浮かぶ

だが同時に
「人生なんてこんなものか」と
何だかぱっとしないような
虚しい気持ちにもなるかもしれない

当時を回想しながら
もっと他にも色々
やれたんじゃないかとか

無限に可能性に満ちていたわりには
自分が選択した人生は
なんてちっぽけなんだろうとね

ところがあなたが
少し視野を広げて見ることができれば
ある重要なことに気づく

それはその古い領収証や賃貸契約書は
あなただけが関わっているのではない
ということだ

領収証には対応してくれた
店員のサインがある
賃貸契約書にも
家主や不動産屋などのサインがある

あなたは新しい人生への期待に
胸を膨らませて物を買ったり
新居の契約をした

だけどもその新たな歩み出しは
決して自分ひとりだけでは
なし得なかったのだ

 

1.

私も事業をやっていることもあって
領収証や契約書などは
何年も保管しておかなければならない

そんなある日
証憑書類を整理していると
懐かしい賃貸契約書が出てきて
思いに耽っていたときのことだ

契約書には連帯保証人になってくれた
ある知人の名前が彼の手書きで書かれていた

「ああそうだった」と記憶が蘇る

当時経営は危険な状態で
とにかく賃料の安いところへ
移らなければならなかった

現在のような保証会社の制度はなく
連帯保証人を必ずつける必要があった
そうして知り合いをあたったなかで
ただひとり快く応じてくれたのが彼だった

その契約書を見て懐かしんでいるとき
彼はもうこの世にはいなかった

しばらく前に彼の葬儀に参列していたからね

そのとき不思議な気持ちになったことを覚えている

私の人生において
まるで彼は「私の手助けのため」だけに
存在していたように思えたからだ

同様にパラパラと
証憑書類(レシートや契約書)を
眺めていった

日付順に貼り付けているから
その年ごとの光景が浮かびはじめる

自分がどんな苦しみのなかで
その毎日を生きていたか
どんな辛い思いをしていたかが
鮮明に蘇っていく

だけどもよく考えてみれば
すべての日付には
自分以外の誰かが関わっている

つまり「私の物語」は
自分ひとりで生きてきたようで
実はたくさんの人々との共同作業だったのだと
気づいたわけだ

 

2.

さて前回
「自分も他者も実在ではない」ということ
その基本的な現実の原理を話した

今回はさらに深いレベルに進めていこう
そのために冒頭の話を加えておいた

家族や会社の人たち、恋人や友人、
街で関わる人々、またあなたの好きな
アーティストなんかもそう
食べ物や食器がここにあることもそうだね
あなたが作ったのではない

生活におけるすべては他者との関わりにある

ではその他者たちとは何者なのか

前回は生命エネルギーの現れであり
それが己の信念に翻訳されて
その姿として現れていると言った

だけどもあなたの人生は
そうした他者たちとの共同で進行する

ゆえに前回の基本原理を踏まえたうえで
よい現実世界を築いていくためには
より大きな理解を広げる必要があるのだ

でははじめよう

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