一人とひとり
“私たち”はひとりで生まれてきて
ひとりで死んでいく
そう言われるが
なんだか寂しいことのように聞こえるね
たしかにこの世に
あなたはひとりでやってきた
だからたとえ誰かと手をつないで
一緒に死のうとしても
その瞬間を浮かべてみれば
結局それは”ひとりの死”と同じであり
自らの意識と向き合わなければならないことは
なんとなく想像できるはずだ
あれだね
家族や友達とみんなで
お化け屋敷に入ったときに似てるかもしれない
一緒にきゃあきゃあ叫ぶけども
何がいちばん恐ろしいのかといえば
みんなと一緒にいるはずなのに
手だってつないでいるのに
この恐怖の光景が自分にだけみえてるように
思えてしまうことだろう
つまり「ずっとひとり」だということを
そういうときに気づいたりするんだが
このときのそれといえば
耐え難い孤独や孤立感が漂っている様子にある
やがて大人になったあなたは
いろんな理屈をこねるようになったり
怖がる友達の姿を楽しむなんてことをしながら
「お化け屋敷なんて全然こわくない」
とか言い出すけども
そうして世界を作為的にみる癖がついて
ここが己ひとりにだけみえてる世界だってことを
忘れてしまうんだ
それはもちろん
“一人”が嫌だからにある
一人とひとり
だけども「本当はひとり」というその真実から
逃げるのではなく
ちゃんと向き合ってみよう
家族と過ごしてるときも
友達とわいわい盛り上がってるときも
「私はひとりでやってきて
ひとりで去っていく」
そのように思いながら
“人々”と過ごしてる世界を眺めてみることだ
するとひとりというのは
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