言葉が現実をつくる
ちびっ子が可愛い理由のひとつは
言葉をまだあまり知らないからだ
大人になれば誰との会話であれ
どこか説明的になってしまう発言が
ちびっ子においては
いくつかの知ってる言葉だけでまとめられる
その姿が素朴で愛らしいわけだね
もちろんそうした語彙の少なさでは
無駄に複雑な大人の社会ではやっていけない
言いかえれば
語彙は思考のバリエーションだけでなく
世界の認識にも影響するわけで
だがそうしてみれば
ある逆説が成り立つことになる
語彙が少なさを危惧するのは
語彙の多い人だけの認識であって
そもそも語彙が少ない人からすれば
世界はシンプルだということだ
毒された言葉
もちろんそれは良くも悪くもある
昔ならよく言われた「ゲーム脳」
最近なら「スマホ脳」となるのかな
限られた語彙しかないがゆえの想像力の乏しさ
特に思いやりなど倫理に関しての
理解力の低さが顕著となる
そしてそれは己自身にも返ってくる
たとえば理不尽や不幸といった概念は
それを上回る寛容さや幸福の”語彙”を
持っていないからだ
だから結局をいえば
それはちびっ子の純粋さではない
たしかに同じように
「狭い語彙の世界」を生きてはいるが
その狭い語彙そのものが
毒されているということにほかならない
言葉が現実をつくる
先日ある有名人が
「周りを”殺す”覚悟で舞台に挑んでます」と
当然のように語っていた
たしかにその意気込みはわかるけども
「殺す」が彼の日頃の用語であるわけで
ところがそんな言葉が当たり前であるがゆえに
彼は他人に”殺される”不安を
常に抱えていることがみえてくる
むしろそれゆえに
「周りを殺す覚悟」なんて”覚悟”を
しなければならないわけで
悪循環から抜け出せないことになる
しかしあなたはこうした話を
「いやいや言葉の表現にすぎない」と
思うかもしれない
ところが言葉というのはなかなか厄介で
“発音”だけじゃないんだ
言葉は”意味”を持ち
そしてその意味が現実の光景を生む
つまり彼にとっては
「命の取り合い」として他人との競争がみえている
仕事は命がけであり
それは彼の人生の不安そのものを
示していることになる
言霊
どうして彼はそんな呪いの言葉が
普通になってしまったのだろう?
Notes あなたの世界, 世界, 創造, 因縁生起, 幻想, 心, 潜在意識, 観念, 豊かさ
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