アゲハ
時間が矢のように過ぎていくと感じたり、人生が短いと感じるのは、それは外部に振り回されて暮らしているからだ。
物事に追われているだけだったり、つまらない欲望を満たすことばかりに費やしている。誰とも関わらずに過ごしているとしても、そうして無意識のままでいるならば、時間は「それ自体」が消滅する。
つまり一定の量としてあった時間(1日24時間など)が無意識な暮らしによって「減った」のではないのだよ。
己はその時間を「まったく生きていなかった」のであり、その「空白」とは己も世界もそもそも存在していなかったということを意味する。
時間と空間が「同じもの」だと理解してみるとき、その重大さがわかる。
記憶はあるのに自分の存在が感じられない
たしかに記憶の断片はあるだろう。だがいまそこで5分前のことを思い出してみれば、その光景の記憶はあるのに、自分が本当にそれをしていたという「実感」がないのではないかな。
その記憶の絵のなかに「己の存在を感じられるか」ということだ。
まして1日の記憶はすべてつなぎ合わせても1時間にも満たないだろう。その1時間でさえ己がそこに「いない」というのは、仮にあなたが80年生きたところで、実質的な生とは
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