輪廻と永遠

あなたはその街や時代に生まれ
“言葉”をもらいながら育ってきた

物の名前だけじゃなく
考え方や価値観もそう

たとえば誰かの態度に腹を立てたとき
どうして腹を立てたのか

心のなかでそれは許せないことだ
これは怒りだという文章が
自動的に記されるからだ

その自動的に記される文こそが
考え方や価値観なんだけども
それは育った環境で基盤がつくられる

もちろん環境が変われば文も変わる

しかしこれは奇妙な話でもあるね

環境が変わって心の文が変わったら
もうそれは以前の自分ではなく
別人になっているからだ

するとこのようにもいえる

己が育った場所や環境
そしてもちろん関わった人たちによって
己はつくられたわけだが
それは言いかえれば
その場所や環境や人たちが
己そのものだということになる

たとえば遠くで発砲された拳銃の弾が
歩いていた自分の頭にあたってしまい
死んでしまったとしよう

痛みを感じる間もなく即死だった

もうあなたはあなたを考えることもない
考える何者かがいないからだ

そんな顛末を想像してみるとき
じゃあいまある人生の意味とはなんだろうか

自分を保身するために
あれこれ苦悩し続けて
自分の欲求を満たすために
あれこれ欲望し続けてきたが

そうして流れ弾で突然に終わるとき
それをしていた意味はなんだったのか

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