外を意識するとあなたのすべてが鈍くなる

もし地球上で人類が滅亡して
あなたひとりになったとき
なにをしている?

陽の光が注ぎ
恵の雨が降り
緑は生い茂り
虫たち、動物たちと同じように
日付もなく時間のない止まった世界
永遠の世界をただ生きていく

「時間」とは相対的なものであるゆえ
基準となるものがなければ
それは失われる

あなたは時間の止まった中にいる
誰もあなたに指示をしない
やりたいことはなんでもできる

石を投げて魚を捕まえる
棒を使って木の実を採る
朽木を使って水を汲む
落ち葉にくるまって眠る

腹が減ったら何か食べ
眠くなったら寝る

「ただそれをする」だけだ

他人はどこにもいないから
優越感を保持する必要もない
趣味や創作もそう
あなたがこれまで
「これを誰かに見て欲しい」
「誰かに楽しんでほしい」
そういうきっかけで起こしてきた
すべてのもの
それらも意味をなさなくなる
そもそも誰かに伝えたいなんてのは
マスターベーションだ
「誰か」は己だったことに
このとき初めて気がつくだろう

あなたはあなたのためだけにただ生きる
やれることだけやって
とりあえず「いまやること」をやって
そうして生きていく
食べ物は無限に循環しているし
水も無限に循環している
地球という巨大なルーチンの中で
あなたはその波に乗っているだけでいい

なんの努力も
なんの苦労も
なにもいらない

あなたが世界を素敵に彩りたければ
そこにある何かを使って作ってみようか

木の枝を組んで家にしてみたり
花の汁を絵の具にしてみたり
そうして「何かを生み出すこと」
そんな「循環」にも触れてみる

いずれその暮らしに充満する循環作用に
自分自分も組み込まれていたことがわかってくる
それがワンネスという生命エネルギーだ

さて

ではいまあなたがいる世界
つまり人類の滅亡していないその世界

なぜやりたいことができないのかね
なぜ素直に生きていけないのかね
文明が滅亡しているよりは
遥かに便利で物も揃っているだろう
だがなぜうまく生きられないのか

滅亡してようがしまいが
それはあくまで表面上のことであり
「あなた」という主観は変わらない
なのに途端に「制限の檻」に
囲まれるのはなぜだ?

それは外的なものへの意識が強すぎて
あなたが「ただ生きる」ということに対して
まったく関係のないことばかりに
心血注いでいるからに他ならない

誰もいなければ「ただそれをする」のに
誰かいればすぐに意識を奪われる
誰かという対象にあなたは囚われる

金が欲しけりゃ働けばいい
いらないものはスパっと捨てればいい
彼と親密になりたければ近づけばいい

だがあなたは考えてしまう
考えるからすべてが鈍くなる

なぜ働かないのか
なぜ捨てないのか
なぜ近づかないのか

考え出す理由とは
あなたがあなた以外のことばかりを
意識しているからだ
まさに我を失っている
この我とは自覚のことだ

いいかね
誰がいても「ただそれをする」のだよ
あなたがあなたの生を生きなくてどうする
あなただけの生をあなたが生きる、とは
それ以上にエネルギーに満ち溢れたものはない
最高にエキサイティングなものだ

あなたが地球にひとりしかいなければ
それがうまくいくかとかどうだとか
そんな定義はしないだろう
「ただそれをする」
それのみに完結している
成功、失敗もなく
すべて成功という杯の中にあることになる

「ただそれをする」のだ

そんな単純なことがいまのあなたはできない
社会という枠組みをいつも意識している
外に向けて意識している、とは
エネルギーがいつも漏れているということだ
いつも何かに
足を引っ張られている気分がするのは
そういうことだよ

もう一歩踏み込んでおこうか

「人類が滅亡した世界」も「いまの世界」も
あなたが見ている世界だ
見ているということは
あなたの心の情景ということになる

繁華街で数百人の群れの中にいながら
「ああ、人類滅亡してるんだな」
としても全然構わない

その時点であなたの中で人類は滅亡したのだ
もう人を人として見ることはない
それは人ではなかったことに気付くかもしれない
すべて巨大な循環作用、ワンネス
あなたはその一面であること
瞬時にそこに気がつくことができる

逆に、もし隕石が落ちるなりして
物理的に地球上から人類が滅亡して
ひとりになったとき
過去の思いに浸ってばかりになれば
あなたは気が狂うかもしれない
寂しさでなにも手につかず
そのまま飢えて死んでいくだろう
人類は滅亡したのに
あなたの中では人類が存続しているのだ

いいかい
すべては「心」
すべて心の情景なのだよ

何もかもを生み出す幻想の根源は
あなたのマインドにある

あなたの信念がそのまま世界に現れるから
日頃みる漫画や映画の選別には注意しなさい

特にネガティブな光景に
「ああ、そうなんだ」としたことが
あなたの現実になる

ポジティブは単体で存在しないのだよ
あるのはネガティブだけであり
ネガティブが薄まった時に
本来そこにずっとあったポジティブという平野が
浮き上がるだけだ

だからあなたの起こす現実は
不幸で理不尽なことが多いだろう
幸福は手を伸ばしても掴めないが
不幸は簡単に作り出すことができるのは
そのせいだ

不幸を作らないときに
そもそもの幸福が見えている
幸福とはワンネスのこと

だから止まった世界で
ただそれをする
そうでありなさい

 


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  1. ただの思考 より:

    >社会という枠組みをいつも意識している
    >外に向けて意識している、とは
    >エネルギーがいつも漏れているということだ
    なるほどと思いました。
    「今日の上司は機嫌悪いな・・」
    「今の雰囲気は帰りづらいな・・」
    「この人と何を話せば良いのかな・・」
    「この仕事はやりたくないな・・」
    「そこまで怒らなくても良いのに・・」
    このように1日の内のほとんどを外へ意識を向けています。
    同時にエネルギーも漏れていたのですね。
    どうりで倦怠感がまとわりつくはずですね。
    一時的に快楽を得ても、外に意識が向いている限りまた倦怠感をキャッチしてしまう。

    これを解消するには
    ・リアルタイムに感じている五感に意識を向ける。
    ・周りで何が起ころうと極力気にしない。放っておく。
    ・つい気にしてしまったら「あ、今気にしたな」と気づいておく
    ・気にしたことを今起こっていることとして淡々と見物する

    上記のようなことを行えば良いのでしょうね。

    ただそれも全てが自分と気づくまでの作業となるのでしょう。

    頭で分かっても実施するのは本当に難しいですね。

    やはり「効果を求めず、淡々と」続けていくことがやはり近道でしょうか?

    • -自分- 涅槃 より:

      ただの思考さん

      メソッドとして書けばその通りだが
      段階があるわけではない

      あなたが意識を内側に向けるとき
      すべては途端にひっくり返る

      以前も書いたことがあるがね
      意識が外に向くのは単なる癖の問題なのだよ

      それを正すだけでいい
      癖を正すには
      まず癖に気付くことだ

      誰かの話を聞いているとき
      「その人の話を聞こうとしている思考」が
      あなたの頭で働いている

      何かを食べているとき
      「何かを食べているという思考」が
      あなたの頭で働いている

      つまり対象を基準とするから
      あなたはひたすら考え続けることになるのだ

      それをやめる

      誰かの話を聴いているとき
      「私が聴いている」のだ

      何かを食べているとき
      「私が食べている」のだ

      常に主体として在るようになれば
      相手が誰であろうと
      自分を作り替えたりすることはなくなる

      もっと良いものが欲しいという
      渇望も消える

      他者に対しての恐れは
      そこに我がないから起こる
      エゴのことではなく
      主体であるかどうかということ

      あなたが主体であるとき
      自分の都合も消える

      あなたが都合を捨てると
      何も恐れるものがなくなるのだよ

      そこに自由が広がっている

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