聖なる酔いどれ

たとえばあなたがお酒を飲む人で
愚痴をこぼしたり泣き上戸ではなく
陽気になれるタイプだとしよう

そんなあなたが
家でひとり晩酌していて良い気分になって
もう少し欲しいなとコンビニへ買いに出かけたとき
その向かう道中の世界はなんだかいつもと違う

すれ違う散歩の人や
コンビニに集う人たちに
親近感が湧くだろう

見た目がどんなに怖そうな人でも
「やあ、今日はどんな日だった？」と
声をかけたくなるかもしれない

そんなことができそうなのは
あなたのなかの“何か”が麻痺してるからだが

だがもし本当に声をかけたなら
その怖そうな人は
「え？　ああ・・まあまあだったかな」と
答えてくれるんだ

つまりあなたが
心のガードを落とした世界というのは
意外にね、”優しい”んだよ

もちろん殴られることもあるかもしれない

だがそんなあなたを放っておけず
介助してくれる人がいたりする

たとえそれが人でなくても

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