私たちは永遠の存在
ソクラテス(プラトン)は
何かを学ぶということは
それは「想起」だといった
想起とは”思い出す”ということだ
つまり学ぶとは
未知の何かを生み出すことではない
現にそうだろう
どんなに新しいことを学んでも
それは人間の理解の範囲にあることであり
つまり「人間が知ること」しか
私たちは知ることができない
だから学ぶとは
すでに人類が知っていることを
追体験することにある
たしかに新しい発明やひらめきがある
だがそれらも
すでに知っていることの発展や
組み合わせにすぎない
“そもそも理解できている何か”が
あるからこそその前提のうえに
新しい何かは建造するのである
1
さてこの「学ぶとは想起である」は
私たち人間が本当は何者であるのかという
秘密の解明に紐付けることができる
たとえばそこに赤い色を見たとしよう
だがその色は脳内で生成されるものだ
網膜には電磁場の特定の範囲の波長が
ぶつかっているにすぎない
ゆえに脳内において
事後的に赤色として認識されるわけだが
ところが脳を解剖してみても
どこにも赤い色など出てこない
あるのは広大なススキ草原のように
神経細胞がざわついている様子しかない
同じようにメキシコ人やアフリカ人を
“私たち”はイメージできる
だが脳を解剖しても
彼らの姿などどこにも映り込んでいない
やはりススキが風に揺れているしかない
いったい”私たち”はどうして
赤色やメキシコ人を
頭に浮かべているのだろう?
さらにいえば私という存在を
どうして私は認識しているのか
脳内を観察しても
そんなものはどこにも見当たらない
いまこのような考えを
巡らせていることもそうだ
脳をどれだけ丹念に調べてみても
こんな論理構造の形跡などありはしないのである
2
たとえばスマホを分解して
前面を覆うガラスを取り外してみれば
機械基盤がみえてくる
変だね
このスマホには
風景や動物たちの映像がたくさん
収められているはずだ
だがそんなものはどこにも見当たらない
脳はこれと同じであって
つまり人間が人間世界を体験するための
プログラムが実装されているといえる
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