天使と悪魔
あなたは”人間の世界”を生きてる
欲しいあの品や憧れのあの地位も
すべて人間が作り出したものであり
それらを得る満足や
それらを失う不安もまた
他の人間が存在しているがゆえの
感情にほかならない
だから結局は”人間相手”に
喜んだり嘆いたりしてるわけだが
あなたを恐怖に陥れるのも
やはり人間であり
つまり悪魔とは人間の姿のひとつにある
「本当に怖いのは人間」なんて
よくいわれるようにね
天使
ところで
“天使”もまた人間の姿のひとつにある
神学的にいえば
天使は神の手足になって働く存在、
すなわち”神の使い”であり
あなたを良くも悪くも導く役割として現れる
なぜ「良くも悪くも」なのかといえば
その時々のあなたの考えや目的を
“正しい方向に向け直すため”に
天使はやってくるからだ
つまりそのときのあなたにしてみれば
天使はとても疎ましいものに
みえるかもしれない
いまも周りにいるだろう
「なんであんなに口うるさいのだろう?」とか
「いつまで世話をしなければならないのか」とかね
そのように
怒りや理不尽を与える存在というのは
大体は天使であり
あなたになにかを気づかせるために現れている
ゆえにそれが天使なのだと
“なかなか気づけない”わけだが
しかしまさにその在りかたこそが
天使の仕事にある
気づいていない自らの過ちを正すために
神の命令を受けてやってくるのだからね
悪魔
では悪魔はどうかといえば
キリスト教として読み変えられる以前の聖書
つまりユダヤ教としての聖書においては
悪魔も”神の使い”だった
だから本当のところは悪魔も天使なのであって
そのことを踏まえてみれば
嫌な感じがして避けたいと思える天使の仕事が
“悪魔として”みえていることになる
ところがキリスト教の歴史が始まってから
悪魔は神の使いではなくなる
わかるかい
神とは”無関係”な本当の悪魔として
あなたの前に現れるわけだ
だから注意しよう
それは神の「導き」として現れているのではない
ところがあなたにしてみれば
その悪魔こそが天使のようにみえる
なぜなら”自我”の擁護や正当性を
どんどん奮い立たせてくるからだ
その意味でいえば天使と逆だね
天使はあなたに違和感しか与えないが
悪魔はあなたに甘い言葉を囁く
「怒りに任せて相手を罵ってしまえ」とか
「他人を喜ばせるより自分の得を選べ」とか
あなたの心に棲みついて
いつも耳元で素晴らしい助言をしてくれる
地獄をさまよう
しかしそうして己の心に居座るがゆえに
とても恐ろしいものと頻繁に遭遇するようになる
それは上で話した
「本当に怖いのは人間」のことであり
悪魔に憑かれたような恐ろしい人間が
あなたを襲いはじめるわけだ
「こんなのありえない、普通じゃない」と
恐怖に打ちのめされる日々を送ることになるが
しかしなぜ恐ろしいのかといえば
それが天使の別の姿では”ない”ということが
明白だからにある
その相手は明らかに
あなたを破滅させるためにそこにいる
その存在は神とは無関係であること
つまり「守られたものではないこと」を
あなたは直感しているんだ
だからこそ恐ろしいわけで
あなたはその悪魔に憑かれた相手に
散々に苦しめられるだろう
手当たり次第に応戦するけども
どんな反撃をしたところで
相手はまったく堪えている様子もない
ひたすら追い詰められているだけであり
なにも手につかなくなって
人生は停滞してしまう
さらにはあらゆることを疑うようになり
親しい人を傷つけたりもするだろう
そうしてすべての人間が
悪魔に憑かれた存在にみえてくるわけだが
ところが
そんなあなたこそが
悪魔に憑かれた人間なんだ
十字架を手にして
ゆえに悪魔に打ち勝つ方法はひとつだけであり
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