「この世は私だった」と思い出すための手引き

どうすれば「この世は私だった」とあなたは感得することができるのか。

それが否定される最大の理由には、日頃の人間関係や社会生活を通じて、自分の思い通りにならないと常々感じていることにある。

そう、この世は”自分”の思い通りにはならない。

なぜなら自分とは、あなたの”なか”に現れている存在であるからだ。魚が海を変えることができないのと同じ。大きな敵が現れたら逃げなければならないし、水温の変化に応じて移動を強制させられる。

そうして自分はいつも他者や出来事の”被害者”でしかない。

そんなわけだから、”自分”が「この世が私だった」と理解するのは無理があるだろうし、そればかりか「この世は”自分”である」という中途半端な宗教やスピリチュアルの理解によって大きな誤ちをおかしてしまうことになる。

つまり自分の欲望を満たす場としてしか「この世が己である」という話を受け取れない。自分が基点であるかぎり、それ以外に受け取りようがないんだ。

 

“自分”の誤解

しかしどうして欲望を持っているのだろう?

もうその時点で他者の”被害者”だということになるね。他者というのは人だけでなく物事や理想もそうだ。

あれがほしい、これがしたい、そんな具合に「自分の欲望」とは常に他者への欲望であり、つまり自分が欲望を満たしたいのは「他者あるからこそ」にある。

ところが「他者」はいつもあなたから逃れ出ていく。たとえそれを手にしたとしても、するりと抜け出して別の姿でまた”自分”を誘惑しはじめる。あなたはただそれを追いかけ続けるしかない。

だが「この世は私」であるならば、どうして逃れる他者にいつも振り回されるのか、ということになるね。

だから逆なんだ。

その他者こそが「あなた」であり、つまり”自分”という存在は、その他者である「あなた自身」を証明するために現れているにすぎない。

それゆえに「常に他者の前に”のみ”、自分は現れている」という日頃の事実に気づかなければならない。

 

いちばん最後に知る本当のこと

たとえばあなたが誰もいない孤島で生まれて、やがて私と出会ったとしよう。するとあなたの人生というのは「私と過ごした記憶ばかり」となるね。

あなたは私に笑ったり、私に腹を立てていた。いつか仕返ししてやろうとか、いつかこれをプレゼントしてあげようとか、そんな”自分”を生きていた。

ところがやがてあなたが”この世”を去るとき、その最後の瞬間にすべての誤解に気づくんだ。

そう、あなたはこの私だった。

そうして人生を振り返ってみれば、一時的な関係だと思っていた人は、実はその人の存在こそが、その時々のあなたの人生そのものだったとわかるだろう。

その人の生い立ちや、どこかでなにかをしていた話など、自分には無関係のことだと耳にしていたことが、実はあなたそのものだったんだ。

 

指は動かしているのは誰?

もちろんあなたはいうだろう。

「自分以外が私だっていうなら、じゃあこの「自分の体」はなんだというのですか? 自分の思い通りに動くし、怪我をしたら痛い、それは自分だからじゃないのですか?」

だからあなたは体という”実体”を通じて、それゆえに”自分”は確固たる存在であると言い張るわけだ。

だけどもそれもまた錯覚なんだ。

その”体”とやらは、たしかに”あなたのなか”にある。だがあなたが知っているのは、体の動きや、体が感じる痛み、つまり体の「感覚」だろう。動きや痛みを知るゆえに、そこにあなたは体をみているんだ。これもまた同じ話であって、”他者”の影である自分がその都度そこに現れているにすぎない。

たとえば自分の手を眺めて「指よ動け」と頭で念じてみるといい。

念じるだけでは指は動かないね。じゃあ指が動いているとき、それはいったいどうして動いているのかをよく観察してみることだ。

動いている指をみてみようか。そうして動いている指は「自分が動かしているのではない」んだ。動いた指をみて、自分が動かしたと思っているだけなんだよ。

指を人に置き換えてみよう。

先の孤島での「私との暮らし」のように、あなたは他人の態度に腹を立てたり嬉しがったりするが、それはまさに「動いている指」を自分が動かしていると思い込んでいるのと同じなんだ。

つまり自分の感情と思っているものはただの思い込みであり、ただそこに漂っている感情をあなたは”自分のもの”だと信じ込んでいるにすぎない。

 

“この世”の黒幕

では指は誰が動かしているのか。それは”自分”ではなく、”あなた“なんだ。

「え?」となるね。

だがその「まったく言ってる意味がわかりません」というあなたの驚きにこそ、あなたは現実を自在に変えられる錬金術師であるにもかかわらず、自らでその力を封じていることを表明しているんだ。

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