使い捨てロボットが意志をもつとき-11

ここからは大功を成す者たちが知る「そのこと」の核心に迫っていこう。

ところで先のボイルの独創的な仮説は、前にも話したように当時の世間には理解されずに、自らの「懐疑的化学者」という著書のなかにおいてその自説を語られることになった。それを読んだ後世の科学者たちが影響をうけて現代の最先端の科学へと継がれていった。

「ボイルの仮説」をおさらいしておくと、彼は「ボイルの法則」という気圧と圧力の関係を実証したが、彼自身がどうしてそのような結果になるのかがわからなかった。そこで彼はたまたま目にした錬金術の資料から当時まったく見向きもされていなかった「原子」の空想的な解説から、インスピレーションを得たというものだ。

ここで重要なのは、いまの科学の「常識」である「物質の変化は粒子の動きによるもの」であることが、400年前のあの当時に「どうしてわかったのか」ということである。

成す者が知る「そのこと」においてこれが最初のポイントとなる。「ボイルがなぜわかったのか」ということだが、それは意外な逆説にその答えがある。つまり「わかったのではない」ということだ。彼が示したのはその「説明」であり、いわば「こうであるならば、こうだ」という哲学的なものだったということにある。

似たような話は歴史を掘り起こしていると結構出てくる。「どうしてこの時代にそれがわかったのか」という記録が宗教や科学、遺跡や伝承のなかにもそこら中にある。どう考えてもその当時にそれを知るなんてことはできなかったはずだ、というふうなね。

しかしそうした過去の謎を取り込んで解釈しているのは、現代の私たちのほうなのだ。それを忘れるから制限された現実、つまり過去が敷き詰められた現実のなかで窮屈に生きなければならなくなるのである。

この世は実体のないもの

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