崩れそうな家で必死に踏ん張っている

人生とは何かを望みそれを叶えていくものではない
努力して掴み取ろうとするものでもない

「起こった出来事を経験すること」
それが人生だ
そしてそれがあなたという存在である

勝手に起こる出来事に
ただ受け身でいること
そこに何の予測もなければ心配もない
不安もないし期待もない

事実それしかない
だけどもあなたの自我が勘違いをしているから
それを崩す必要がある

あなたは過去の悔いや痛み悲しみ、
そんな材料でできた「家」の中にいる

その壁の右側は
「子どものころ頑張ったのに馬鹿にされたこと」
その天井の隅っこは
「好きだった人に裏切られたこと」
床のあそこらへんは
「お金も休日の時間も減っていくという虚しさ」

あなたはその家の中で外に出ることすらせず
ただじっと耐え忍んでいる
何か楽しいことをしようとも
耐え忍んでいることが前提としてある
まったく楽しみ切れない

家の中の明かりを灯すことに必死なのだ
明かりが消えたら闇
あなたは怖い
もうなんの為に生きているのかわからない
だからせめて
明かりを消さないように
明かりが消えないように
もっと明かりを求め続けて
自我という家の中で必死に耐え忍んでいる

あるとき外から地響きが聴こえてきた
凄まじい轟音
家の揺れはどんどん大きくなり
このままいくと家が崩れ落ちるのは明白だ

「こんなに頑張って生きてるのに
家まで壊されるのか!! 私のすべてがああ!!」

崩れようとする壁を全身で押さえるが
天井の瓦礫で周囲も見えない

築き上げてきた「自分自身」が
そんな突然の出来事で崩されてしまうことが
あなたは許せなかった
耐えられなかった
これまでの人生の様々な記憶が
轟音とともに崩壊する家の中で蘇る

あんなこともあった
こんなこともあった
あれは嫌だった
ずっとつらかったな

思えば家の明かりを
絶やさないようにすることだけ
それだけのために生きてきた
なぜなら闇こそ恐怖
別にいまの職業も生活も
望んできたものではない
ただ安心という明かりが欲しかっただけだ
でもその明かりはいつも不安定だ
消えたときもある
その時は慌てて闇の中を探って
次の明かりを見つけてきた

もし明かりがなくなったらどうしよう
いつもその不安ばかり
でも新しい明かりが着いたばかりのときは
しばらく消えないことを知ってるから
明かりのことを忘れることもある
そんなときは気持ちが楽になったりもした

だけどもいつもいいところで
その楽しい時間は奪われてきた
明かりが消えそうになるからだ
「早く次の明かりを灯さないといけない」
その暗い家に支配される人生だった

さて
崩壊寸前の家の中で
あなたは怒号の叫びを上げる
揺れはさらに大きくなる
もう限界だ!!崩れる!!!

外は明るかった

太陽が隅々まで降り注ぎ
見たこともないほど明るかった
一体何を頑に守り続けてきたのだろう

これはよく語られる「悟り」の手引きだ
出来事は起こる
あなたは出来事を経験するためにいる
だが出来事に「善し悪し」をつけて
自我という家を築き上げてしまう

異性に笑顔でじっと見つめられたら
気分はいいが
同性にそれをされると気味が悪いとか
自分を馬鹿にしているんじゃないかとか
いやいや、私に気があるんだろ?とか
人間に見られるのは嫌だが
動物なら見つめられたら愛情がわくとか

どれもただ何かが
あなたを「見た」だけのことだ
出来事に意味付けをするということ
それは家の中にいるということ

出来事をただ通過するものとして
受け取るとき
あなたは家の外にいる

ただ過ぎ去るもの
それを経験するためにあなたはいる
これはあくまで主観的な見解だがね

実際は「過ぎ去るものがあなた」だ
経験そのものが「あなた」であり
そこには経験もなにもない
ドンと常に「それ」がある

もしあなたが
ひとつひとつの「経験」に意味をつけ
それに振り回されているようであれば
とても馬鹿らしいことだ
家の中で必死に明かりを灯そうとしている

あなたは求めるものではない
起こる出来事を経験するだけでいいのだ
意味付けせず
ただ起こる出来事を通過させていく

それが「家」を持たずにいられる方法となる
幸福は家の外にある

家の外こそ、
あなたの無限に広大な住まいだったのだよ

 

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