本当の自分を発見する(11)

65.この世の土台

第9節で話したように自己意識には2つの種類がある。覚えているかな? AタイプかBタイプかという話だね。

  • Aタイプ=他者に向けられた意識
  • Bタイプ=己の心のうちへの知覚

どちらのタイプも主観的ではあるが「向けられる方向が違う」ということだった。連載はAタイプの解説のまま「無意識」の説明になり、脳構造や言語構造の話につながっていった。

だから「Bタイプはどうなった?」というわけだが、それを理解するためにはこれだけの遠回りが必要だったわけだ。この”遠回り”で話してきたことが「この世の土台」であるからだ。この土台を前提に私たちは人生を経験している。

だがAタイプの意識状態である限り、現実の大きな変化は望めない。「人生の主体」は己自身ではなく、外側の現実世界のほうにあるからだ。よって他人の言動や日々の物事、世界の動きに振り回され続けることになる。

その理由は話してきた通りだ。この世が三次元の光景であること、空や太陽や大地があること、また人間的な思考力、感情、価値観などの心の働きのすべてが、無意識層に蓄積された「言葉」によって表現されている。しかも言葉はあなたの中だけの所有物ではなく、常に外部との接続状態にある。

その「外部との接続」が他者との関係性であり、つまり「人間世界」となる。

66.人間とは

人間とはなんだろう。

それは笑い合い、認め合い、憎しみ合い、敵対するものだ。だけどもどうしてそれが可能なのか。それはお互いが「違う存在」であると考えているからだ。

ところが私たちは同じ太陽を浴びて、同じ空気を吸って、同じ大地の作物を栄養にしている。それぞれ別々に生存しているように見えるが、実際は「ひとつの自然の流れのなか」にある。

また社会のなかではそれぞれの人生があるようにみえるが、単に役割分担をしているだけで、それによって「ひとつの社会構造」が成立している。

あなたがひとり何かをはじめても、それは他との連関があってはじめて成り立つものだ。仕事にしても買い物にしてもね。王様が王であるためには、家来がいなければ成り立たない。お金持ちになるにはお金を払う人がいなければならないし、自分がお金持ちだと自覚できる比較対象がなければならない。

科学は原子や素粒子といった「より小さなもの」を探して、この世を解明しようとするがそれは大きな誤りがある。むしろその逆方向、つまり「より大きなもの」の中に、この世は現れているからだ。

67.世界が変わるとき

だから人間とは独立した個体ではなく「全体的な活動の”部分”」であり、その全体の動きは、均質な条件ならば必ず「一定した方向」に向かう傾向があることを知っておく必要がある。それは作為的なものではなく「慣性」によって流れているといえる。なぜなら人間が営む社会構造(言葉が織りなす幻想世界)のより深い根底には先の自然の流れがあり、常にそれに乗っかっている状態にあるからだ。

しかし「均質な条件」というのがポイントであって、それは人々が同等の立ち位置にいるときに、自然の流れと文明の流れが「調和する」ということ、つまり人類の歴史(総合的な言語セット)はそのようにして秩序化してきた。

言いかえれば、新しい時代にガラリと切り替わるときは、必ず大きな波乱が生じてきたのであり、たとえばいまのネット社会においてもそれは顕著に現れている。

インターネットが一般層に現れてからまだ20年程度しか経過していない。ましてフェイスブックやツイッターなどのSNSが日本で本格的に根付いたのは東日本大震災以後からであり、まだ10年程度(10才)のものといえる。だから未だネット上でのマナーやデジタルコピーの問題、またはネットの中立性(所得格差によって利用できる帯域幅が異なる=情報の公平性がなくなる)などが騒がれている状態にある。

つまり突如として現れたインターネットというテクノロジーにそれまでの経済機構や法が追いついておらず、イタチごっこの様子にある。ネットの登場で倒産に追い込まれた事業は数知れず、またネットの登場によって新しい種類の犯罪が急増した。

それらは革新的な技術に「これまでの人間の感覚」がまだマッチしていないことによって起きてきた。

この図式はあなた個人の人生にも置き換えることができる。突然の環境の変化に変調が生じる。それまで当たり前だったことが通用せず、そしてその先にどんな未来が開いているのかもわからない。とにかく手探りだけで進まなければならず、想定外の出来事に一喜一憂するしかない。

68.安定期へ

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  1. ishiyama より:
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