第五の鍵

key

一日の始まり
あなたは目を覚ます
見慣れた部屋の風景
家族と暮らしているなら
みんなの顔、声、会話

昨日のこと、今日のことを話す

外に出てみる
無造作に置かれた自転車
名も知らぬ通行人
街路樹
信号機

肌寒い季節
ポケットに手をつっこんで
電話機を取り出す
その感触
表示される文字

駅に向かいながら
少し先のことを考える

やらなければならないことを
どうやって乗り越えようか
頭がいっぱいになる

誰かの顔が浮かんでくる
「あの人はいつも自分勝手だ」
頭の中で彼とやりとりを始める

電車の中
いつものように時間潰しをする
ゲーム、ブログ、メール‥

さて、こんなところでいいだろう
あなたの日常というやつだよ
それを思い返してみなさい

関わる人や物
現在の置かれている状況
あなたの日常
あなたの世界

見てきたもの
感じてきたもの
交わしたもの、人々
あなたを取り巻いている状況
請求書、責任、仕事、試験、
つまりあなたの”現実”

その全てに対してこう言いなさい

 

「なんだこれ」

 

このひと言で瞑想に入ることができれば
すべてが蜃気楼のようになる
陽炎のようにゆらゆらとした世界が
地面から分離して浮かんでいるようになる

あなたの現実は
大地にズッシリと築かれていた

だがいまは違う
大地に浮かぶ蜃気楼となっている
あなたという大地に浮かぶ幻想
その光景が扉の向こうにある

扉を開く第五の鍵を渡そう

この鍵を使うには少しコツがいる
目の前の物体に対してではなく、
つまり自転車など単一の対象ではなく
あなたを取り巻くすべてを
ひとつの状況として捉える
その「ひとつの何か」に
この鍵を差し込むのだよ

そうするとある”不可解”が起こる

この不可解─

言葉を与えれば「なんだこれ」とはならない
それは自転車で
それは電話機だ

だがあなたは「なんだこれ」と言った
その現実
その世界
あなたを包む「何か」に意識を向けたのだ
それは言葉で表すこともできず
意味を与えることもできない

だから鍵を差し込んだ瞬間
不可解な現象を目の当たりにする

落ち着かない感じ
地面から浮遊している感じ
つまり納得や合点がない
矛盾の境地

最初のうちはすぐに「不可解」が消える
つまり瞬時に扉が閉じてしまう
あなたのマインドが
あの手この手でロジカル詰めにするからだ
風圧のようなもので
扉は勢いよく閉まる

だが鍵を使う度に扉が開く時間が
長くなっていく
「不可解」をそのままに
委ねることができるようになる

そして扉が開いた向こう側を見たとき
あなたはすべてを悟ることになる

「なんだこれ」

あなたが現実をそのように捉えるとき
いつもの現実と同化したあなたではなく
少し距離を置いた視点で
その世界を見ていることになる

まあこういうことだよ

あなたが誰かの話を聞いた
彼は災難な人生らしい
そう聞いた

そのヴィジョン

あなたはその彼ではないから
彼の世界は「聞いた話」でしかない

「へえそうなんだ」
その程度の認識

あなたにとって「彼の世界」とは
どのように見えている?

まさに夢のよう
蜃気楼のよう
そこに起こっていない絵空事
つまりあなたの現実ではない

だがこの鍵を使うとあなたの現実すら
絵空事であることがわかるようになる

一体何がその現実を固めていたのだろう
無論、あなたのマインドだ

扉を開くとき
そのすべてがわかるようになる
本書すらも
本書を「読んでいる」という行為すらも

「なんだこれ」

それでいい

 

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